8.14.2014

村上隆「芸術起業論」

「芸術起業論」とかいう本を読んだ。表紙が不気味である。髪の毛の一本一本が鮮明でこのときばかりは日本の印刷技術を呪わざるを得ない。

芸術起業論
装丁が不気味である。
これは現代芸術家の村上隆が書いた本。
ぼくは彼の作品をほとんど知らない。唯一知っているとすればあのスーパーサイヤ人風の金髪少年が意気揚々と射精しているような作品くらいだ。あれが何千万円で売れて、ネット界隈が「金持ちの脱税目的だ」と騒いでいたのを覚えている。

なぜ「あんなもの」が数千万円で売れたのか?たまたま馬鹿な金持ちに眼をつけられたのか?そんなことはない。村上流の情熱と戦略があったのである。

彼を見てると芸術家ってリアリストなんだなあと思う。金にここまでづけづけと言及した芸術家はあまりいないだろう。ひたすら金欠に喘いでいる姿しか浮かばない。事実村上も35歳までコンビニの廃棄弁当を漁っていたそうだ。
芸術は「強烈な独創」が基準点で、前人未踏の新しさを世界に提案できるかどうかの勝負だから「唯一の自分」の発見は欠かせません。
心の状況を整備し、心の本音を探索し、心の扉を開け放つ……。そういうリスクの高い行為をしているのが芸術家です。 
というところは共感できるし、励みになる。結局自分をどこまで掘り下げられるかだ。ぼくは別に絵を描こうというわけではないが、芸術という舞台で戦っていこうというのだから、この本は大変勉強になった。

そう、戦っていくのである。芸術作品を創って、わあ楽しいというわけにはいかない。こうなると、形振り構っていられない、とぼくは思うのである。
表現の世界では、みんなが、実現不可能なことに夢をはせては挑戦を続けています。(中略)ぎりぎりまでやらないと、ものが見えてこない世界。集中力と体力がきれたら、すぐに死ぬしかない世界。でも、この世界に入った以上、みんなが望んでいるものはその「実現不可能なもの」なのだから、なんでそこに突っ込んでいかないんだよと思うのです。
ちなみに彼の絵画作品を見ると、やっぱり一流だと思った。射精する少年のフィギュアはしっくりこない。西洋的なセンスで見ればありなのか?

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