1.29.2015

戦争はつねに嘘から始まる

最近の演劇はもう飽き飽きしている。新鮮味がない。

いま思えば、五十カ国の首脳がデモに参加というのはひとつの象徴だったと思う。みなさん足並み揃えていきましょう、仲間はずれは許しませんよ、騙しましょう、儲けましょう、という新年会だったのではないか。

パリでは実際にひとが殺されているので、それは残念だった。しかし、いま話題の人質については、本当に殺されているのか?という気がする。写真も、怪しい……。画像一枚というのはどうなんだろう。ネットに転がってる首切り動画のように動画としてあげなかったのは「大人の事情」があったのだろうか。

だいたい彼らが何ものなのか、という点も謎である。いったい彼らは何を目的として中東に乗り込んだのか。ぼくらと彼らの接点は「日本人」というだけである。もしも彼らが一般的な旅行者だったら、おおいに憤慨すべきだろう。

しかし、実際は、彼らは中東に人殺しをしにいったのかもしれないし、政府の密命を受けていたのかもしれないし、劇団員の仕事を任されていたのかもしれない。そこが読めないので、唐突に「勇敢なジャーナリストだったんです!」と一斉報道されてもピンとこないでしらけてしまう。

それだけならまだしも、記者クラブで世界的に悪名高い日本の談合メディアが「これは報道の自由に対するテロだ!」なんて声明を出すと、悪い冗談としか思えない。

政府やマスコミは、とにかくシンプルな図式にしたいらしい。シンプルな方が畜群をコントロールするにはよい。恐怖という名の黒い犬が羊の群れを追いかける。

歴史はこうして作られるのか、という気がする。将来の教科書には、イスラム国がテロや誘拐をしたので、西洋諸国に懲らしめられました、とだけ載るのだろう。桃太郎レベルだな。


戦争は常に「嘘」から始まる。

さいきんはもうアホの演劇がつまらないのでぼくの生活も一種の虚脱モードに入っている。

こうして強制的に演劇を見させられているというのが、ひとつの事実である。だれもかれもこの演劇を楽しんでいる。これは演劇だ、と気づいていても、注目させられているという点で、こうしてつらつらと書いている点で、敗北なのである。
「クソコラグランプリ」は痛快な芸術だ。
どうでもいいものは、茶化して遊ぶしかないのだ。
とまえに書いた。ぼくはクソコラグランプリにおおいに共鳴した。大げさに言ってしまえば、日本のもつ底力に驚嘆した。それは一連の演劇のもつ引力を突きはなすものだったからだ。フランスの低俗な風刺画の何千倍も健全である。

クソコラの一例。

おそらくユーモア、茶化すということこそ、人間のもつ最高の武器なのだろう。

より美しい世界を求める願いは、いつの時代にも、遠い目標を目指して三つの道を見出してきた。第一の道は俗世を放棄し、美しい世界はただ彼岸にあると信じて、その神の国へ至ろうとする道である。それに対して第二の道は現実の世界を改良し、完成させることをめざす道であり、人々がこの道のあることに気づいたのは、ようやく十八世紀に入ってからのことだった。第三の道とは、夢見る道、すなわち現実の生活の形を、美しい「芸術の形に作りかえる」というそのような道である。それは、「芸術作品のなかに、美の道が表現されるというだけのことではなく、生活そのものを、美をもって高め、社会そのものを、遊びとかたちで満たそうとする」生き方。(「中世の秋」ホイジンガ)

ホイジンガの言った「社会そのものを、遊びとかたちで満たそうとする」という記述が、クソコラグランプリと合致すると思う。まあ、ちょっと褒めすぎかもしれない。

フロイトによれば、人間のもつもっとも高次の防衛機制が「ユーモア」であるという。ショーペンハウエルによれば、「朗らかさだけが幸福のいわば本物の貨幣である」と。

われわれは、もっと笑わなくてはならない。笑う人間だけが人生の勝者なのだ。


最近知ったことだが、日本語のもつリズムは8ビートなのだという。例えば和歌の七五調は8ビートである。これがアメリカだとジャズに代表されるような4ビートであり、フランスでは3ビート(ワルツ)で、ドイツだと2ビートになるのだという。

日本では「パソコン」「ケータイ」「ニッポン」「けいおん!」などのような4シラブルの単語が好まれる。西欧国においては、4シラブルの言葉を好むのはラテン系の言語に限られるらしい。つまり「ソナチネ」「ソノラマ」「マカロニ」「ロザリオ」などである。

単純な憶測だが、日本人のもつもともとの血は、ラテン系に近いのかもしれない。ということは、陽気でくよくよ悩まず、よく笑う人間である。

いまの日本人は、勤勉だがユーモアに欠けるとよく言われる。このような性質は、戦後作られた性質で、ほんらいの日本人からかけ離れたものなのかもしれない。

「変わり兜」
こういうものを見ると
日本はかつてユーモア大国だったのでは……と思ってしまう。

うさぎと侍はよくマッチする

0 件のコメント:

コメントを投稿