4.06.2015

働くということ

田舎の企業で勤めて一週間ぐらいになる。

いまだ学生気分が抜けないぼくはたぶん光の速さで嫌われているだろう。別に嫌われてることはどうでもいいことだ。嫌われつづけの人生だから、もう慣れた。

多くの人が知らずに身につけている社交性といったものがぼくからは欠如している。

ある人間に取りいること、この技術を持っていないし、その行為に対する熱意も持ち合わせていない。

すべての人間はぼくの目の前を素通りしてゆく。

それは家族であっても変らない。

ぼくはほとんど家族とコミュニケーションをとらないが、それは別に悪いことではないと思っている。

中原道義だっけ?が、「成熟した人間は積極的にコミュニケーションをとろうとしない。それは例え親子であってもだ」というようなことを言っていて、その一言だけで自分を正当化している。

家族でこうなのだから、いったい社員たちとどう接すれば良いのだろう?

このように書くと完全なアスペのようだけど、社員の冗談には笑い声をあげるぐらいのことはするし、しゃっきりと爽やかな挨拶をするくらいの常識を持っている。

ただそのときのぼくは空疎であり、魂はどこかへ行っている。高度に社交的な空間は、ぼくの精神が毛嫌いするから、こう警告してくる。ここはお前のいる場所ではない、と。

ぼくのような人間が、どのように思われているかは知らない。

しかし、根本的には、ぼくは正しく生きようとしている人間であり、真とか、善とか、美とか、そのような理想が実在するかはともかくとして、そうありたいとは願っている。

ぼくにとって社会的地位はどうでもいいことだし、金銭的な追求はしない。豊かな生活は求めるけど、それは精神的、時間的な豊かさを求めているのであり…。例えばドラム式洗濯機を買う一方で、サラダとマヨネーズトーストという夕飯を食べている。

もっとも、労働の時間は決して苦役ではない。 ぼくは最近労働の価値を
知った。労働に従事しているひとびとは、その内側から見れば案外美しいものである。仕事という場において普通ひとびとは全人的にぶつかるのだから、そのような場で、人間が生き生きと輝かないはずはないのである。

それだから、最近は労働を苦役だと思うことはやめた。労働のどこにそんな価値が潜んでいるのか、ぼくは実際に働いてみるまでは知らなかった。

もっともこの労働とは、会社勤めである必要はないのであり、育児とか、芸術活動でもよい。

人間が人間である以上は、何か仕事をせねばならない。このことは事実であるようだ。

ニートだって仕事をする。というのは、インターネットが普及してから引きこもりは爆発的に増えたからである。彼らはネットのなかで仕事を見付けだす。それは2chで炎上させる「仕事」でもよいし、MMOのようなオンラインゲームでレベルを上げる「仕事」でもよいのである。

本来は社会的義務から逸脱したはずの引きこもりが、極めて自然に、自分の仕事を見つけ出すのは驚くべきことである。

人間とは、仕事をする生き物なのである。このことを、最近になって僕は知った。

前にも書いたことだが・・・、仕事とは食事に似ているのである。ぼくらは食事という行為の是非を問わない。モノを食べるなんてハレンチだから辞めよう、とはならない。ただし、そこには価値観が強く反映される。ベジタリアンは肉食を忌み嫌うし、ムスリムは豚肉を食べない。目玉焼きの味付けにしても、塩だのケチャップだの議論する。

我々はより良い食事を求めるし、その良い食事とは、それぞれ違う。それと同じようなことが、仕事についても言えるだろう。

このことを知ることができたことは、まだ勤務して一週間に満たないが、良いと感じたことである。

正直、働き始めて失望することも多い。17時半退社のはずが18時退社だったり・・・。残業代は申請式で、本当に出るのか?疑問だし・・・。辞められるなら、辞めてしまいたいという気もする。

それにしても、海外に行こうというのならそれなりの資金を貯めておかねばならない。

それに、今の生活にはいくらか満足もしてしまっているのである。田舎の一軒家は、いいものだ。ドラム式洗濯機も、すべてがオートマティックに働く便所も、スイッチひとつの風呂もすばらしい。

住環境が完成しつつある。

自分という人間は、このように埋没してしまうのかもしれない。たしかに暮らしは学生時代に比べてずっと良くなった。

だが、なんだというのだ。精神的な豊かさを、追い求めたいのではなかったか・・・。

少し、整理が必要なようである。それは月曜日という環境のせいもあるだろう。自己が不安定で仕方ない。自己が自己を掌握するには、孤独の時間と静寂が必要だが、日本的な労働はこれを破壊するのである。

ああ、疲れた。明日も仕事だ。









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