1.13.2016

職場に警察がきた話②

そういうわけで、前科一犯となることを免れた私だけども、昨日は布団に入りながら、このようなことをウェブ上に記述することに、少しの戸惑いを覚えた。

私のなかで、私の行動はある程度の妥当性をもつと思っている。しかし、おそらく常識的な考え(それはつねに正しいとは限らないのだが)を持ったひと、あるいは想像力の欠けた人であれば、たぶん私を冷ややかな目で見ることは想像がつく。


もしもトラックと私があの状況で接触事故を起こしたとすれば、判例タイムズによれば、1:9でトラックが悪いことになるようだ。普通は2:8だが、私は二輪車で交通弱者なので+10が加算される。

それに、トラックは速度超過もしていたから+10。それでなくても、悪質な運転と認められれば+10ということになる。ようはふつうに解釈すれば、トラックの完全な有罪になる。

追い越される側の「譲る義務」の法解釈は微妙だが、ふつう救急車などの緊急車両でなければ譲る義務はないし、こちらが極端な低速で走っていない限りはそのような義務は生じない。だから、事件のありさまは、私は軽トラの後ろをごく普通に走っていて、横からトラックが幅寄せで潰しにきた、というシンプルな構図になる。

それでも、私が怒りを抑えきれずにミラーを割ってしまったのは事実だし、そういった暴力的な手段に訴えて、話し合いもしなかったのは、私の過失でもあると思う。

私は、人間としては間違ったことはしていない。なにせ、向こうが殺害・傷害致死な暴力手段で訴えてきたのにたいし、私はそのお返しに物を破壊しただけだからだ。

ただ、「一応」法治国家だから、その体面上、私刑をしたことがまずかっただけだ。私は今回の件をそのように理解している。


相手方はミラー代を払えばよいとしている。私は刑事から、業務ができなかった間の賠償金とか、慰謝料とか加わるかもしれない、と脅されていたから、これには安心した。

なにせ、向こうが「刑事告訴してください」と警察に言うだけで、私は拘留されてしまう。私には選択権がないし、警察もそれが仕事だからしかたない。拘留は10日ほどに及ぶし、会社にも説明しなければならない。よく考えれば、私は首になったら首になったでぜんぜん構わないのだが(どうせ近々辞めるし、貯金もある、できれば実家でのんびり過ごしたい)。

まあ普通であれば加害者は弱みを握られた状態になるわけで、被害者がウン十万円払え、と言われたら文句言わずに払わねばならない・あるいは高い金を払って弁護士に相談しなければならない状態になるだろう。

しかし、拘留されて、(100%ないだろうが)起訴されて、裁判ということになれば、私はそれはそれでよいと思っている。私にも幾分かの正義があるわけだし、そうした正義が、法の庭でどう扱いを受けるのか、興味があるからだ。

おそらく、私に問われる罪は、上に述べたような罪だ。それは、法治国家で私刑をした罪だ。この罪を私は認めなければならないだろう。私刑は、いくら正当性があっても、法治国家という前提ではこれを罰しなくてはならない。私人としての行為が倫理的にどうかは別にして、社会制度・基盤にそぐわなかったことは認める。

しかし、正当性がある私刑は、ある程度は情状が考慮されるはずである。その辺の按排を、ぜひ実際の場で確認してみたいと思った。が、やはり起訴はありえないはずなので(日本では検察側に1%でも負ける可能性がある限り起訴はない)、無駄に拘留されるだけ損ということになる。ミラー代を払って終わりにする予定である。


そういうわけで、しょうもない事件だったけども、いろいろ考えるきっかけになった。私はなんとなく、ソローの本を思い出していた。たしかソローは、数ドルの税金請求に腹を立てて、「市民の反抗」という大仰なタイトルの告発文を書いていた。ともあれ、よい経験になったと思う。今日も仕事だ。

1 件のコメント:

  1. とんだ災難でしたね!被害者でありながらミラー代を払うのは悔しいけれど、事故にならなくて本当に良かったです。マナーの悪いドライバーはいっぱいいるので、くれぐれも気をつけてください。

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