2.20.2016

血圧と幸福

なにもしようのない日々だと思う。書かずとも幸福であればそれで良いのではないかとも感じる。

このブログを初めから読んでいくと、「アルジャーノンに花束を」の知恵遅れのように、バカが賢くなり、賢くなった人間がまたバカになる過程を感じ取れるだろう。

有能で知識が豊富だった時期は過ぎ去って、退屈の日常のなかに、ささいな興奮と感動と満足と平穏を得られるような、凡夫、俗人、おしまいの人間、「何もかも遅すぎた」人間、そういうものに私は成ったと言えるかもしれない。

年齢的なものか、腹の脂肪か、血圧か、わからないが、ともあれ体重は去年より4kg増えたし、血圧も30程度上がっている。まあ去年は、脂肪のほとんどない低血圧者だったから、つねに体がだるく、憂鬱で、ときおりコーヒーによって雷鳴のような陶酔感を得られる以外は、ほとんど水の奥に沈んでいるような重圧感をまとって生活しているようなものだった。

それが「まともに食事を摂れるようになった」ことにより、私の体重は激やせからやせ型になり、血圧も低血圧から標準にはなった。まあ血圧は仕事のストレスも関係するかもしれないが。

仕事は定時で帰られるにせよ、かなりハードな日々だったが、来週から配属が変わり、楽な環境になる予定である。噂では、午前中は多少忙しいにせよ、あとは暇でコーヒーをすすっているような環境だという。

それだから、ようやく仕事の激しい疲労から解放されるというわけだろう。このほぼ1年間、今考えてみると、あまりに働きすぎた。もともと仕事熱心でなかった私も、いくらか仕事のことが好きになったくらいだ。膨大な仕事を定時の間にこなせというのだから、仕事に集中せねばならず、集中して取り組めば何でも楽しくなるものだろう。私はたくみな経営者陣によってうまく飼いならされたと言えるかもしれない。私の職場での信頼は、中の上くらいにはなっている。

転属に加えて、明日には新しいバイクが納車になるのであり(私の月給の半分の金で買った)、私の人生は特に苦痛もなく進んでいる。「こうして、彼は幸福に暮らしたのでした」と締めくくってもよいくらいだろう。

このような充足した日々を送っている人間が、なぜわざわざ海外へ赴く必要があるだろう。また読書のような知的営みを行う必要があるだろう。セックス、スポーツ、スクリーン――というわけで、彼女でも作って、バイクに乗って、あとはYoutubeでも鑑賞すれば私は幸福な人間にはなれる。

なぜ人生はこうであってはならないと私の内奥の人格が主張するのかわからない。これをやっつけてしまえば私は凡愚になることができるだろう。田舎の人間は何ら進歩がないように見えるが人間に進歩が必要などとだれが決めたのだろう。田舎の人間は何ら主張なく自立した個人には見えないが人間がそれぞれ自由意志を持たなければならないとはだれが決めただろうか?田舎の人間はメディアに振りまわされ家畜のように支配されているが人間が何かに隷属してはいけないのか。

個人であることは緊張を伴い寿命を縮め集団に埋没してしまえば恍惚がある。

東洋イデオロギーの幸福とは足元に転がる幸福を見つけることであり、西洋イデオロギーの幸福は永遠に届かない天空に手をさしのべることである。

まあどちらでも良いが。

セックス、と言えば、元ホスト上司は三十代後半といったところで、すでに結婚しているのだが、私のような年代には恋愛をしなければいけないのだという。神経症者の恋愛は、もとより歪んだものであり、まともな恋愛ができる自信が私にはない。また、ひとと近づくことに、つねに恐怖感がある。私は病的に自己を守りたがる人間であり、自己がその心中で見つめる内奥の自己をだれかにさらけ出すなどということは考えられない。

しかし内奥の自己など、他者に隠せるわけではない。臆病な自己を隠す人間は、だれの目にも臆病である。ただ本人のみうまく隠し通せたと思っているだけである。私の精神の内奥も、隠し通せるわけではなく、漏出していくものなのだろう。そういうふうにして人と付き合えばいいのかもしれない。

ただまあ数年後に私は日本にいないはずでありそう考えると恋愛などというものはバカバカしく思える。恋い焦がれるような人間とは長く付き合うものではないと私は思う。去年の今頃は失恋に苦しんでいたが、いまは解放されている。彼女は有名企業に入社して、東京で過ごしているはずだ。相応の生活を送っているのだろう。

私とは言えば、田舎で隠遁生活ができればよいが、田舎でなんとなく幸福な生活を送ってしまっており、そうなると単なる凡人、俗人、固まってしまった粘土、ゆですぎたパスタのような人間と言えるかもしれない。

ひさしぶりに書いてみると、いろいろ書くことがあるので、自分でも驚く。今日は納豆ご飯とビールを飲んだらもう寝る予定である。

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