6.05.2016

世界構造

さして意味のない日々である。最近は若くなくなったと思う。つまりなにか真理とか知的探求というものに興味がない。文学も私を感動させない。人類にとって哲学や芸術とはなんであったか。一時的なけいれんかあるいは混乱ではなかったのか。

私という存在がなにかの存在によってどうにかなるのかというふうに考える。何事も変わらないように思える。私が石斧をもっていようとiPhone 6を持っていようと本質的には変わらないだろう。聖書だろうと火水の神だろうと変わらない。

知的に行きつくところまで行ってしまったのか、まだ進まなければいけないのかわからないのだが居心地のよさと同時に退屈さも感じる。私はあるていどの智慧を身につけたように思う。安定しており持続的でありまったく静かである。著述とは作用―反作用であり、明日も太陽を昇ると信じている人がこれを特段主張することはないように、苦痛がなければ書くこともないというわけだ。青い底でじっとしている。

いまの私は人間に対する信頼をもっている。ぜんたいこの信頼というものが金銭や快楽よりもずっと必要なものだろう。だから宗教はひとにまず信じることを説くのである。信じる、このことによって真理とは生まれる。まず真理があるのではないのであって、この不幸な倒錯こそプラトニズムの詐欺が生みだしたものである。

人間にたいする信頼とは世界にたいする信頼である。私はもっとも富んでいるという気がする。私は目の前を流れていくひとびとに何も感じない。私は時間のなかを流れるけどもそれも気にしない。



旅の準備をしようとおもうがそのまえに当然退職しなければならずこれをいつ突きつけるかという問題がある。私は会社の後輩の女性のことが気がかりである。私が世界に対する信頼をとりもどしたのはひとり彼女の貢献によるものだからである。私は彼女をもってして書籍のそとの人間もそれほど悪いものではないと思った。

彼女は左利きであり、さして美人でもないが、私は、彼女の涙は私の涙であり、慟哭は私の慟哭であると考える。こういった感情は愛情や恋愛感情というよりも共感とか信頼と言った方がよいかもしれない。しかしやはり恋愛感情に近いとも思える。これもまた永続し安定した静かな関係である。それは母子の関係に似ているかもしれない。私と近く似ているのである。もちろん男と女だからだいぶ違っており、それもまたおもしろい。

それでもまあ旅には出なければならないと思っている。とくだん出たいという願望はないのだが私の性向の根っこでもう旅に出ることになっているらしくあらゆる思考がその目的のために奉仕している。私は彼女と離別することがさびしいと感じるがああいう人間がこの世にひとりでも在るなら私は世界を愛せるという気がする。

人間に対する信頼とはそのようなものである。サイコパスのような悪魔はたしかに存在する。これは別格でありとびきりの悪である。でも、人間は大部分は善性である。知とはやはり善のように思える。すなわち知性のレベルがだいたい善のレベルだと私の目には見える。それは感受性の強さと言い換えていいかもしれない。つまづき傷つく人間こそだいたい知性は優れているものである。救いをもとめなければ知性は発達しない。

悪魔に利用されながらもまあまあ満足しているひとは善性に欠ける。だがそれは無知がゆえである。無知は、上のような感受性の乏しさによるものだから、人間に利用される家畜が「悪」ではないように、責任を求められるものではない。ただ彼らの行為はだいたい悪行であって、害悪をふりまく助けをしていることには違いない。

このように極点としてのルシファーと、その道具となっている感受性の乏しい愚かな人間と、悪を見抜くようなまあまあ聡いといえる人間がいる。世の中の構造とはそうなっているようである。人類の歴史とは、表向きにはどれだけ変遷あるいは「進歩」しようと、本質的には変わらない。だから石斧だろうとiPhone6だろうと変わらないのである。私は学問とか思想書とかネットで上のような事実を知ったけれども、古代人だって同じ智慧を持っていたに違いない。それは口伝だったり慣習だったりするだろうけども「宗教以前」にも同じ知性はあっただろうと思っている。いまよりももっと「常識的」だったかもしれない。いまは「民主主義」や「自由・博愛・平等」だのが支配的イデオロギーとなっており、悪魔の存在なんてだれも信じていないからである。

まあ上のような事実を確認するためにも旅にでなくてはならない。日本はいくらか特殊な国であることに違いなく、私は世界に共通する普遍的な事実を見つけてみたいと思っているのである。この感覚は書籍でなく旅の体験としてではないと得られないように思う。

2 件のコメント:

  1. 君が旅に出ている間に彼女は他の男と寝るぞ 
    悪魔より

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  2. 退屈さを感じるのであれば、一番難しい恋愛に挑戦してみるといいと思う。自己完結せず、彼女への思いを表現してみてはどうだろうか?旅に出る前に。

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