7.17.2016

冷たさと暗さ

それで昨日は山へ籠もって野宿した。

バイクに荷を積んで、崩落で通行止めになった林道のその先でテントを張った。火をおこして、酒を飲んだ。それから川へ降りて少し泳いだ。腰くらいの深さで流れがおだやかなところ。水は青く底まで見えている。全裸で泳ぐがこれは気持ちがよかった。ただ顔を水につけるとすこし不気味だったのでやめた。ひとりだれもこない野山では警戒心がはたらく。水ははじめ痛いくらい冷たかったがしばらく泳ぐと慣れた。

バイクもハイカーもだれもこなかった。四輪はそもそも到達できないと思う。夜の闇が迫ると鹿の鳴き声と川のせせらぎくらいしか聞こえない。ただ人間がくる恐れはほとんどないからその点は安心だった。本を読むつもりだったが火を見ている方が楽しかったので結局読まなかった。視界が暗くなるとテントに引っ込んだ。それで音楽を聴きながらすぐ寝た。

野宿をするときは不安のせいか深酒のせいか知らないが夜中に何度も起きてしまう。だいたい一晩で5,6回は起きてしまう。たぶんレム睡眠になるたびに起きているのではないかと思う。それで時計を確認してまだ夜中であることに失望する。夜更けの山は人間の領域ではない。獣や神の支配する空間であり、そんなところにお邪魔しているわけだから、心細いものである。

それで朝六時頃に起きて三十分ほど散歩していた。途中で雨が降りはじめてずぶ濡れになった。すぐ引き返しテントの中に避難したがテントが雨漏りしていた。寝袋にも水がしみこんでいた。ほんとうにイライラしながら荷物をまとめた。もうこんなもの打っちゃってやろうかと思いながらテントを丸めた。それで朝のコーヒーもタバコもなしに撤退した。シャツ一枚で凍えるようだったが下界に降りていくにつれ暖かくなり雨も止んだ。それで風邪を引くこともなく帰宅できた。



海外旅行にそなえてテント泊の練習をしているのだけどけっこうしんどかった。でもまあ良い経験だった。日本の降水量はだいたい世界標準の倍と言われるくらい多いのであり、海外ではテント泊でずぶ濡れになることはあまりないのではないと思う。東南アジアに旅行したときもそんなに雨を経験しなかった。また雨が降ってもスコールのような通り雨であり、一時間も待てば止んでいるということが多かったと思う。その証拠に傘を持っている人はほとんどいなかった。

どうもテントは嵩張るのが嫌だと思う。大荷物はテントと、寝袋と、あとは断熱クッション。欲をいえば折りたたみの椅子も欲しい。宿泊費さえ無料になれば旅の経費がだいぶ減るのであり、ぜひともテント泊したいのだが、荷物が増えるし、ホテルと比べるととても快適とはいえないので、難しいところ。

バイクの維持費やガス代は海外ではそんなにかからないと思うが毎日過ごしていてもっとも負担が大きいのがホテル代なのである。一泊3000円に抑えても一ヶ月で10万円だ。もちろんユースホテルのような安宿はあるけど一泊1000円以下のところは雑魚寝のことが多くまためんどくさい旅人も多いものである。なんか物知り顔の大学生とかヒッピーかぶれの連中とはあまり話したくない。治安の良い先進国であれば野宿、それ以外ではホテルという形でも良いのだと思う。



旅の準備は大部分整ったのであり仕事をさっさと辞めてしまわなければな、と思う。しかし旅に出たあとどうなるのかわからない。旅はだいたい1~2年くらいを目標としている。とにかく時間を贅沢につかってのんびりと過ごしてみたいのである。しかしそのあと収入や仕事がどうなるのかと考えてみる。できれば旅しながらできるような仕事をしてみたいものだと思う。まとまった貯蓄とか不労所得さえあれば放浪しながら生きることも可能だ。あまり定住することに価値を見いだせない。たとえば夢のマイホームだのマイカーだのそういうのに憧れを抱けない。近代以前は今のように定住するひとはあんまりいなく商人とか坊主以外にも職人や医者など各国を遍歴する人は多かったと聞く。私もそのような生活に憧れる、べつに一箇所ではたらかなければいけない義務もないだろう。

今日はSがくるので料理をつくってあげるつもりだ。

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