11.11.2016

PLAXIS

本を書いたらよいのでは、というコメントがあったので、電子書籍でも出そうかと思っている。神経症に関する本。私は専門家でもなんでもないので、小難しい本は書けない、と思っていたのだが、加藤諦三の本を読んでいると、たいへん雑な殴り書きであり、こんなテキトーな本でも出版できるのか、とハードルが下がった気分になった。文章が雑というだけでなく、彼の本はほとんどマズローやフロム、アドラー、フランクルのような第三勢力の心理学者の「要約」のようなものであり、その程度の本でいいんだ、そんなものが売れるのか、ということを学んだ。

それで昨日の夜、自動車を公園に停めて、毛布にくるまりながらノートパソコンで書いてみたのだけど、まあこういうブログの散文と違って、長い文章を書くことの難しいこと。1000字くらい書くと、疲れた、もういい、今日は寝よう、となってしまう。
ものを書くときの動機は人さまざまで、それは焦燥でも良いし、興奮でも希望でもいい。あるいは、心のうちにあるもののすべてを表白することはできないという絶望的な思いであってもいい(中略)動機は問わない。だが、いい加減な気持ちで書くことだけは許されない。繰り返す。いい加減な気持ちで原稿用紙に向かってはならない。(「書くということ」)
とスティーブン・キングは言ったけど、いい加減は「良い加減」なのだし、気張りすぎては前に進めないという気がする。

一冊の本はだいたい十万字くらい、仕事をしながらであれば一日千字程度と考えると、百日で一冊ということになる。そうしてできあがった本はおそらくまったく売れないので、時給換算すると100円もいかないはずである。ただ、こうしてブログを書くように執筆するのであれば、気楽な仕事ではある。

もともと私は文章家になることが夢だった。それを三十歳になるまでに達成しようと思っていた。なんとか間に合うのかな?しょぼい電子書籍なんてだれでも出せるだろうけど。

執筆活動(笑)に入るので、ここの更新はまばらになると思う。
人間の歴史を通じて、そのたびごとにより複雑に、そしてより豊かな形をとって周期的に繰り返される三つのそれぞれ異なった契機があることになる。1 人間は物の中で難破し、自己を失ったと感じる。これが自己疎外である。2ギリシア人たちのいう思索的生theoretikosbios、すなわち思索theoria である。3 人間は予定計画に従って世界に働きかけるため、ふたたび世界に没入する。これが行動であり、行動的生活であり、プラクシスplaxisである。 人間はエネルギッシュな努力を傾けて、自己の内面に引きこもり、こうして物について考え、それをできるだけ支配しようとする。これが自己沈潜であり、ローマ人たちのいう観想的生活vita contemplativaであり、したがって行動はそれに先立つところの観想によって律せられていないならば不可能であり、またその反対に、自己沈潜は未来の行動を立案する以外のなにものでもないのである。(個人と社会 / オルテガ・イ・ガセット)

1 件のコメント:

  1. ちょっと長くなるかもしれません。。
    そう思います。オリジナリティのある文章がいかに少ないかというのはいつも感じます。一見、難しそうな言葉の並びでも、少しネットでググればどこからか引用された文章の形態を少し変換しただけのものだったり、本当に筆者が考え抜いて辿りついた考えなのかどうかが怪しいものばかりです。それでも、そうやって写すことで、その思考を理解し、いずれ自分の言葉にしていくことができるのかもしれませんが。
    それでも、読ませる文章は、やはりその人の生き方そのもの、それからこころのようなものが反映されると思います。
    そういった文章は忘れないし、何度でも読み返してみたくなるのです。そうして、ボロボロになってもいつも手元に置いていたりします。それから、言葉に対する注意深さからも書く事に対する真摯な姿勢というものを感じます。当たり前のことなのかもしれませんが、黒崎さんの文章にはかなりの量にも関わらず、誤字脱字がないことにいつも感心しています。(公になっている記事にかなりの頻度で誤字脱字を見つけますので)好きな文章は絵画を見るように、字面を眺めるだけで、気のようなものをもらいます。
    黒崎さんのブログから、知識が無さ過ぎてチンプンカンプンの文章からは、ただ時間をかければいいのだということを学びました。3ページ読むのに、そもそもの言葉の意味が分からないために、脱線を繰り返し、ちっとも進まないけれど、それでもいずれわかるようになれば、違う世界が見えてくる。ということを。

    神経症の記録に関しては、鬱病との違いを理解するうえで役立ちました。精神病理は人間であることの真理を垣間みるチャンスを与えてくれるものだと思っています。

    いい書き手であり続けて下さい。応援しています。
    それから、たまに紹介される絵画も結構好きです。

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