1.24.2017

神経症と能力

年末に実家に帰ったとき、学生時代読んだ本を整理して、何冊か持ち帰った。そのなかにコリン・ウィルソンの書いた「至高体験」という本があったので、ぱらぱら読んでいた。

かなり深い、広い、良い本だと感じた。当時はこの良さに気づかなかったのかな。
心的に健康な個人とは、すぐれて深いレベルで活力貯蔵を習慣的に求める者を指す。精神を眠りにゆだねてしまう――そのためその表面だけが波騒いでいる――者は、<活力の循環の問題>に悩み始める。神経症とは、自分本来の能力から切り離されたという感情のことである。
生は動的であり、エネルギーを持っている。

神経症の状態は、おそらくエンジンを延々とアイドリングさせているような状態なのだろう。エンジンがオーバーヒートしたり、カーボンが溜まってピストンやクランクを痛めることになる。

人はピン留めされているのではないから、走っている・動いている状態が自然であり、自分の足元ばかり見ているわけではないのである。

それを神経症者は、「私は止まっているのになぜ不調なのだろう?」と不思議がっている。自分の身体をあちこち調べて、どこか悪いところはないか探している。

必要なことはギアを入れて、走りだすことであり、そうすればすべてがうまく機能するのだ。

走行風が熱を払う。エンジンオイルの循環が、こびりついたスラッジを除去する。

神経症者はおそらく、人並み以上の才能を持っている。だから止まっていると、容易に故障してしまうのだろう。先のエンジンの例で言えば、神経症者は大排気量車なのである。

同様のことをV.E.フランクルはこう記述する。
航空機はたしかに地上においても動くことが出来る。それにもかかわらず、それは空中に浮かび上がるやいなや初めて本来の意味で航空機でありはじめるのである。人間の場合にも事情は同じである。人間が心理生理的、有機的な事実性の平面から歩み出て、自ら自身に向かいうるとき(それだからといって自ら自身に対立しなければならないということはないのだが)に初めて、人間は、言葉の本来の意味において人間であり始めるのである。(「神経症 その理論と治療/V.E.フランクル」)
森田正馬はこういう。
向上欲のつよい点において、神経質者はたしかに優秀である。しかし、神経症に悩んでいる間は、その向上欲を、社会の現実に適応しつつどうやって満たしてゆくか、という具体的な方法を知ろうとしない。つまり、社会や人間というものに対する正しい認識が欠けているために、自分の置かれた境遇に適応しつつ自分の目的を一歩一歩実現していゆくということができない。(「生の欲望」)
マズローはこういう。
やかましやの能力は使われなければならない。それらがよく使われたときにのみ、そのやかましやはやむのである。つまり、能力はまた欲求でもあるのである。……使われない技能や能力や器官は、病気の中心となり、あるいは委縮したり、消滅したりする。そしてついにはその人格を縮小させることにもなるのである。(「完全なる人間」)

神経症者は、自分の能力を自覚し、それを育むということをしなければならないと思う。

#追記

「自称心理学者」のニーチェさんはこう言っていた^^
それぞれの力の中心から発するより強くなろうとする意志、これだけが唯一の実在である――自己保存ではなく、わがものにし、支配し、より大きくより強くなろうと意志すること(Mehr-werden-,Starker-werden-wollen)


ETFを買って投資家デビューした。

最近は投資のことばかり考えている。投資の良いところは、知識による戦いが挑めることだ。私は投資は将棋や麻雀に近いと考えている。結局、多くの知識と経験を積んだものが勝つということだ。

人と同じことをしても勝てないだろうと思い、よくある投資の本を読むことはしないで、マルクスやピケティを読むようにしている。まずはカネがどのように動いているのかを知るべきだと思ったからである。

私はこれまでカネを嫌っていた。実際、いまもあまり好きではないのだが、この世界に生きていながらカネから目を逸らすことはできないだろう。なんであっても、盲目的であることはよくない。

カネや女、暴力など、不浄なものも見つめなければならない。空ばかり見ていたらつまづいてしまう。

新しいことをはじめるのは、とても気分が良い。精神衛生上良いことだ。

私は哲学や文学に固執しているようなところがあったのだけど、カネや経済に関心を向けると、新しい世界が広がるような気分になった。

もっと自己を拡充させようと思う。

2 件のコメント:

  1. 自身の労働対価以上の年収自慢、
    女のヒモになりさがりたい話、
    トラックのサイドミラーを叩き割った話

    現状でもカネや女、暴力が絡み不浄だから、
    哲学かつ理性的な人間ぶるのは止めてくれ

    たまには批判的な感想も刺激だろう?

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  2. 最近の私は不浄ですよ。Sに振られてしばらくは、清浄だったと思いますが。自慰もしますし酒を飲むし、肉も食べます。どうなのか、と自分でも思っています。

    この時期になると職場に警察がきたときのことを思い出しますね。ほんと、警察ってヤクザと変わらないですよ……。

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